ずいぶんと更新が久々になってしまいました。
少年(ロン)が龍華と別れて大阪に行ってしまって以来、
龍華はしばらく少年を探し続けました。
よく少年がいた机の裏や倉庫の下なんかを覗き込んでは
悲しそうな目をして帰ってくる龍華を見るのはとても辛く、
母猫としてちょっとずつだけど成長してた龍華から、
子供を取り上げてしまったという罪悪感は日に日に重くなりました。
それでも・・・・
それでも私は心を鬼にして、避妊手術を決行しようとしたのです。
「今週の土曜日連れて行きます」
具体的に時間も考えていて、会社に一番迷惑がかからない曜日を選びました。
病院にもすでに連絡してありました。
なのに、なぜか会社からマッタがかかったのです。
理由は、お客様が安くていい病院を紹介してくれるってゆってる、とか
近くの病院の方がいいんじゃないかとか・・・。
龍華は会社猫。
私が入社する前から飼われていた。
でもここまで人懐っこくしちゃったのは私だし、私が入社してからは
私が一番龍華を愛してきたし、龍華も私を一番慕ってた。
それに何より、乙女と少年を入院させた時、
費用は私が負担するのが当たり前と誰もが思っていただろうし、実際全額負担した。
だから今回の避妊手術も私が責任を持つしかないだろうと思ってた。
龍華と子供を別れさせ、更に私の手で二度と母猫になれないようにしてしまうのは
それはそれは辛いことだったけど、これからもここで飼うには仕方ない選択だった。
それなのに会社の都合でマッタをかけられるなんて・・・・。
私は、それならばと思い切ってかけ合ってみた。
「費用はどうしますか?私は自分が出すつもりで、病院も決めてました。」
すると部長は、
「私が出す。でも病院はもう少し考える」
ということだったのです。
その後1度「まだ手術しないんですか?早くしないとやばいですよ」とせかした。
その時部長は少し笑って「もう遅いんじゃない?昨日夜遊びしたよ・・・」
今思えばこれが、会社が手術しなかった理由だろうか・・・。
まさかぁ・・・。
真相は明らかではない。
費用の問題かもしれないし、忘れていただけかもしれないし、
龍華が意外と発情しなかったってのも事実だし、本当に「もう遅い」と思ったのかもしれない。
でも、これは私の勝手な想像だけど、あのいつもカリカリしてる割に人情深い部長、
もしかしたら少年と離されて落ち込み真っ最中だった龍華のを見て、
手術するのは「かわいそう」という思いがあったんじゃないだろうか・・・・・・・・・・・・なーんて
ちょっと良く思いすぎだろうか・・・。
そして私も。。。
手術を会社に任せたのは、費用の問題や、今更病院を変えろと言う会社に
カチンときたというだけでなく、心のどっかで「手術したのは私じゃない」
って思いたかったってのもあるかもしれない。
もしそうなら私は愚かすぎる。
少し考えればすぐわかる。
これの先にあるのはただ同じ悲しみの繰り返しなのに。。。 続く...